デリラ オスマン 帝国 騎兵隊。 ブラック・ウォリアーズ オスマン帝国騎兵隊 : 作品情報

映画「ブラック・ウォリアーズ」を見て気になったこと

デリラ オスマン 帝国 騎兵隊

CONTENTS• 監督のオスマン・カヤは、トルコの人気TVドラマ『Filinta』の演出を務めてきた人物。 宿敵ヴラド3世を演じるのは「未体験ゾーンの映画たち2019」で上映された、『ブレイブ・ロード 名もなき英雄』のエルカン・ペッテッカヤ。 ドラマ『オスマン帝国外伝 愛と欲望のハレム』で皇帝妃を演じたヌル・フェタホール、航空アクション映画『スカイ・イーグル』のイスマイル・フィリスら、トルコを代表する俳優が出演しています。 WOWOWでは、『デリラ オスマン帝国騎兵隊』のタイトルで放送された作品です。 ヒューマントラストシネマ渋谷とシネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2020」上映作品。 映画『ブラック・ウォリアーズ オスマン帝国騎兵隊』のあらすじとネタバレ C 2018 Angel Film Yapim オスマン帝国のムラド2世の治世の時代。 ルーマニアのワラキア地方は帝国に併合されました。 忠誠の証としてワラキアから送られてきたヴラド王子を、ムラド2世は我が子メフメト王子と分け隔てなく養育します。 成長すると1人は美しいバラのような、もう1人は毒を持つ花キョウチクトウのような人物に成長します。 偉大なスルタン(皇帝)となったメフメト2世(ルガラー・アクソ)と、オスマン帝国に深い恨みを抱く、ワラキアの領主ヴラド3世(エルカン・ペッテッカヤ)でした。 オスマン帝国に反旗を翻したワラキアの王ヴラドは、逆らう者を串刺しにして街道沿いに並べ、その力を誇示します。 スルタンは住民を恐怖で支配する彼を糾弾する使者を送りますが、その使者を自らの手で残虐に殺害するヴラド。 リーダーは黒い翼を背にまとう勇士ゴクルト(ジェム・ウチャン)。 こうして集まった7人の精鋭は、アラーの神とオスマン帝国への忠誠と、誇り高き死を誓ってワラキアを目指し馬を駆ります。 強力なオスマン帝国に対し、ワラキアの勢力は余りにも小さいものでした。 しかしヴラドは錬金術師に命じ、ネズミと特別な赤い苔を使用して、恐るべき疫病を作らせていました。 これを細菌兵器として使用すれば、帝都コンスタンチノープルも陥落するでしょう。 そしてエレンは兵士が、貧しい住民にネズミを集めるよう命じる姿を目撃します。 ヴラドの妻、王妃エリザベッタもオスマン帝国が滅びる事を願っていました。 周囲を侵略し、支配地が広がった結果、ワラキアの統治は困難になっていました。 そこで権力の維持する為に、ヴラドがローマ法王の後ろ盾を得る事を望むエリザベッタ。 しかし自らを神の子と信じるウラドは、オスマン帝国皇帝にもローマ法王にも従わず、自らの手で世界を支配する野望を抱いていました。 エレンは兵士が住民に約束した報酬を与えず、逆らう者を殺して集めさせたネズミを奪う姿を目にします。 エレンは何か恐ろしい事態が起きていると悟ります。 ヴラドの不正規兵が出没し、発見される恐れも出てきました。 彼らはいかなる道でウラドの本拠地に迫るべきか相談しますが、ヴラドの兵に苦しめられているオスマンの民を見過ごせないと、あえて正面から進む道を選ぶゴクルト。 その頃ウラドの妻、エリザベッタは錬金術師の研究所を訪れ、細菌兵器の開発状況を尋ねていました。 彼女も兵器の完成を強く望んでいました。 それを目撃したエレン少年は、祖父の元に戻り全てを伝えました。 祖父はそれを教会のカラフ神父に報告します。 村の娘アラジャ(ヌル・フェタホール)の家族を殺され、その身に危険が迫ります。 戦いに慣れた彼らは少数ながらヴラドの兵を打ち負かし、アラジャを救います。 しかし村には無数の死者が横たわっていました。 全く口を開かない彼は、幼い日に敵の襲撃を受け、傷付いた親を救おうと助けを求めた結果、かえって敵を呼びこみ目前で親を殺されていました。 その日から一切言葉を口にしないサスローン。 生き残った赤ん坊の境遇に、幼い日の自分の姿を重ねたのか、仲間がとがめても赤ん坊を抱いて放そうとしません。 アラジャはトルクメン人で、本当の家族はウラドの兵に殺され、この村で育てられたとゴクルトに語ります。 民族は宗教を理由に多くの民を虐殺してきたウラド。 ゴクルトは彼女に、オスマン帝国では信仰を理由に弾圧される事はないと告げます。 逃げ帰って城に戻った兵は、ヴラドに毛皮や翼を身に付けた、まるで怪物のような戦士に襲われ、部隊は全滅したと報告します。 おめおめ逃げて来た兵を許さず、自らの手で処刑したウラドは、部下のコステルに警戒を命じます。 アラジャと赤ん坊を引き連れ、一同に出発を命じるゴクルト。 戦士の1人が皆から「名無し」と呼ばれているのに疑問を持ち、アラジャは理由を尋ねます。 今はまだ名が無いが、戦場で相応しい働きをした時、相応の名が与えられる。 「名無し」はこの旅で、ついに自分の名が得られると信じていました。 彼らはジプシーの集落に到着します。 そこにはヴラドの支配から逃れた、ユダヤ人など様々な民族や宗教を持つ人々が暮らしていました。 寛容なジプシーの女頭目を信頼できる人物と見たゴクルトは、彼女にアラジャと赤ん坊を託します。 サスローンは赤ん坊との別れを拒みますが、赤ん坊はサスローンの息子である、と認めたゴクルトの言葉を信じ、戦士として決意を新たにします。 その頃アラーの神を信仰するオスマン帝国に反旗を翻した、ヴラドの功績を讃えるローマ法王の使者が、彼の元に到着していました。 喜ぶエリザベッタですが、自らはこそ神の子、法王に従う理由は無いと宣言し使者を侮辱するヴラド。 絶対の支配者となって、世界に君臨しようと企むヴラド。 細菌兵器もついに完成しました。 その1人ムバリスを中心に、故郷の大地について語り合います。 無口なサスローンがいる一方、常に笑いを絶やさないコンガールもまた仲間です。 その振る舞いを戦士らしくないとクマンが責めますが、騎士団のリーダー・ゴクルトは彼をたしなめます。 コンガールはかつて戦場で肉親を失い、その日から心を閉ざしました。 自分の心を檻に閉ざした結果、他者との関わりを拒絶するかのように、笑顔を見せるようになりました。 サスローンの無口とコンガールの笑顔は同じものだ、そう説明するゴクルト。 様々な手段と絆によって連絡を取り、祈りと共に彼らを支えます。 彼らをヴラドの兵が襲います。 撃退したものの、コンガールは深手を負い身動きが取れなくなります。 やむなく彼の運命をババ・スルタンに託し、先を急ぐゴクルトたち。 休息の際ムバリスは、弟のようにかわいがっている「名無し」を水を汲ませに向かわせます。 しかし「名無し」はヴラドの配下、コステル率いる部隊に捕らわれます。 嘆き悲しむムバリスを、ゴクルトとアスガールがなだめます。 またしても仲間を失いましたが、虐げられた民を救うのが我らの務め。 ゴクルトは残る戦士と共にヴラドの城を目指します。 ヴラドの城付近の村に着いた騎兵たちを、住民は不審の目で見つめます。 教会に入り、カラフ神父と熱く手を握るゴクルト。 彼の報告で城への秘密の通路と、ヴラドが開発させた細菌兵器の存在を知り、カラフに錬金術師の研究所の破壊を依頼したゴクルト。 騎兵たちは捕らわれた「名無し」を救うためにも、ヴラドの正規軍との対決を望んでいました。 ついに決戦の日。 ヴラドもまた神と対話していました。 私が勝利すれば、炎と死をもって世界を支配し、あなたに捧げます。 しかし私を見捨てるなら、私は敗北を受け入れず、イエスのように敵に屈したりはしない。 彼もこの戦いで決着を望んでいまいた。 一方カラフ神父は、錬金術師の研究所の爆破に成功していました。 その目前で「名無し」を殺害するヴラド。 大地も割れんばかりのゴクルト、アスガールの気迫に押され、ヴラド正規軍の兵は次々倒されます。 サスローンはヴラドの部下コステルこそ親の仇と気付き、闘いを挑み討ち果たします。 多くの部下を失い敗北を悟ったヴラドは、父なる神が再度、自分の運命をトルコ人に委ねた、と呟きます。 その前に立ち、ついに暴君を討ち取ったゴクルト。 こうしてワラキアの地に平穏が戻りました。 しかしヴラドの妃、エリザベッタの手には、細菌兵器に感染した1匹のネズミが残っていました…。 その勇猛・残虐な活躍と、先に記憶されたイメージが結び付き、伝説的な存在となります。 メフメト2世のオスマン帝国はコンスタンティノープルを征服し、アジア・ヨーロッパにまたがる大帝国を築きます。 臣従した者には民族・宗教問わず寛容、ヨーロッパ文化も積極的に吸収、トルコのルネサンス時代を産んだ人物。 なるほど本作で名君と描かれる訳です。 ところがヨーロッパ側から見ると、彼はコンスタンティノープルを略奪・破壊した、キリスト教圏への侵略者。 キリスト教最大の敵と呼ばれ、人々から恐れられていました。 敵役の典型そのものである、大悪党として描かれたヴラド3世。 ドラキュラ伯爵のモデルで、ヴラド・ツェペシュ(串刺し公)と呼ばれた人物です。 しかし彼もルーマニア側から見れば、巨額の貢納金を吹っかけてきた支配者オスマン帝国に抵抗し、独立を守った英雄です。 彼は正教会教徒(後に改宗します)で、ローマ法王のカトリックとは対立する立場ですが、それでもヨーロッパ諸国からは、オスマン帝国に抵抗するキリスト教の守護者として、当時は英雄視されていました。 そんな背景をエンタメ化した作品が、『ブラック・ウォリアーズ オスマン帝国騎兵隊』です。 くれぐれもフィクションですから、映画を見て歴史を学んだ気にはならぬ様に…。 全世界が注目するトルコ歴史ドラマの発展形? C 2018 Angel Film Yapim 現在トルコではスケールの大きな歴史ドラマ制作がブーム、世界からも注目を集めています。 日本でも放送されている『オスマン帝国外伝 愛と欲望のハレム』、オスマン帝国建国の時代を描いた『Dirilis Ertugrul 』などが代表格。 この映画の監督や俳優が参加した『Filinta』も、19世紀を舞台とした歴史ドラマです。 『オスマン帝国外伝 愛と欲望のハレム』が本国で放送された時、歴史上の人物の描き方について、権力者まで意見を述べる大論争が起きました。 擁護する側の意見は無論、「これはドキュメンタリーでは無く、ドラマにすぎない」という意見でした。 日本、そして世界各国の歴史ドラマも、史実よりエンタメ性を重視するのが潮流となっています。 フィクションと認識出来る作品であれば、娯楽に徹するのもアリでしょう。 どこかの国の大河ドラマの内容を、すべて歴史的事実と信じていませんよね? この映画もトルコの歴史ドラマ同様、エンタメ性を追求した作品になっています。 正直言って細かい事に拘らない、サービス精神過剰のきらいがある作品です。 最終決戦ではいつの間にか増えていますが、きっとオスマン帝国の為に、気付かぬ間に続々集結していたのでしょう。 動物を使ったのか、超能力か…。 絆で結ばれた超人戦士ならではの、以心伝心かもしれません。 最終決戦シーンでは、積まれたわらの山が爆発します。 もう深く考えるのは止めました。 カッコイイとは、こういうことさ 少々失礼な形で紹介しましたが、ところがこれが実にカッコいいのです。 繰り返される死闘こそ見せ場です。 クライマックスの戦いは、インド映画「バーフバリ」2部作でCGを使って表現したバトルを、本作では肉体と火薬、スローモーションを駆使して描いた、と表現できるでしょう。 ヴラド側の衣装デザインも凝ってます。 それらが戦う姿は「ロード・オブ・ザ・リング」「ホビットの冒険」の役者対CGではない、役者対役者の剣劇バトルシーンを、より発展させたものをイメージして下さい。 このコスチュームバトルを楽しむのが、本作の正しい鑑賞法。 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』など、血沸き肉躍る映画が好きな方は、細かい点に拘らずに大いに楽しんで下さい。 まとめ C 2018 Angel Film Yapim 本作に登場する、理想化されたオスマン帝国。 すべての民族・宗教を擁護し、老若男女の人民に感謝される、実にありがたい存在です。 まるで旧ソ連のスターリン時代の、気持ち悪いスターリン礼賛映画と同じ設定だと言えます。 ところが世界中が排他的になった現在、このメッセージが一周回って、かえって清々しく感じられるから不思議です。 今の世の中で、胸を張って全ての民族・宗教の方々に、どうぞ自分の国に来て下さい、と言える人がどれだけいるでしょうか。 トルコの歴史ドラマブームも、従来国是であった世俗主義からイスラム主義へ、オスマン帝国時代への回帰という、世界的な保守化・排他化の流れの中での現象といえます。 そう見ると『ブラック・ウォリアーズ オスマン帝国騎兵隊』からは、オスマン帝国時代に憧れるなら、その時代の人々の寛容な精神にも学べという、映画人からの力強いメッセージが確かに発せられているのです。 次回の「未体験ゾーンの映画たち2020見破録」は… C 2018 Warner Bros. Entertainment Italia S. - Picomedia S. 次回の第9回は イタリアの濃密なサスペンス映画『インビジブル・ウィットネス 見えない目撃者』を紹介いたします。 お楽しみに。

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ブラック・ウォリアーズ オスマン帝国騎兵隊/デリラ オスマン帝国騎兵隊

デリラ オスマン 帝国 騎兵隊

CONTENTS• 監督のオスマン・カヤは、トルコの人気TVドラマ『Filinta』の演出を務めてきた人物。 宿敵ヴラド3世を演じるのは「未体験ゾーンの映画たち2019」で上映された、『ブレイブ・ロード 名もなき英雄』のエルカン・ペッテッカヤ。 ドラマ『オスマン帝国外伝 愛と欲望のハレム』で皇帝妃を演じたヌル・フェタホール、航空アクション映画『スカイ・イーグル』のイスマイル・フィリスら、トルコを代表する俳優が出演しています。 WOWOWでは、『デリラ オスマン帝国騎兵隊』のタイトルで放送された作品です。 ヒューマントラストシネマ渋谷とシネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2020」上映作品。 映画『ブラック・ウォリアーズ オスマン帝国騎兵隊』のあらすじとネタバレ C 2018 Angel Film Yapim オスマン帝国のムラド2世の治世の時代。 ルーマニアのワラキア地方は帝国に併合されました。 忠誠の証としてワラキアから送られてきたヴラド王子を、ムラド2世は我が子メフメト王子と分け隔てなく養育します。 成長すると1人は美しいバラのような、もう1人は毒を持つ花キョウチクトウのような人物に成長します。 偉大なスルタン(皇帝)となったメフメト2世(ルガラー・アクソ)と、オスマン帝国に深い恨みを抱く、ワラキアの領主ヴラド3世(エルカン・ペッテッカヤ)でした。 オスマン帝国に反旗を翻したワラキアの王ヴラドは、逆らう者を串刺しにして街道沿いに並べ、その力を誇示します。 スルタンは住民を恐怖で支配する彼を糾弾する使者を送りますが、その使者を自らの手で残虐に殺害するヴラド。 リーダーは黒い翼を背にまとう勇士ゴクルト(ジェム・ウチャン)。 こうして集まった7人の精鋭は、アラーの神とオスマン帝国への忠誠と、誇り高き死を誓ってワラキアを目指し馬を駆ります。 強力なオスマン帝国に対し、ワラキアの勢力は余りにも小さいものでした。 しかしヴラドは錬金術師に命じ、ネズミと特別な赤い苔を使用して、恐るべき疫病を作らせていました。 これを細菌兵器として使用すれば、帝都コンスタンチノープルも陥落するでしょう。 そしてエレンは兵士が、貧しい住民にネズミを集めるよう命じる姿を目撃します。 ヴラドの妻、王妃エリザベッタもオスマン帝国が滅びる事を願っていました。 周囲を侵略し、支配地が広がった結果、ワラキアの統治は困難になっていました。 そこで権力の維持する為に、ヴラドがローマ法王の後ろ盾を得る事を望むエリザベッタ。 しかし自らを神の子と信じるウラドは、オスマン帝国皇帝にもローマ法王にも従わず、自らの手で世界を支配する野望を抱いていました。 エレンは兵士が住民に約束した報酬を与えず、逆らう者を殺して集めさせたネズミを奪う姿を目にします。 エレンは何か恐ろしい事態が起きていると悟ります。 ヴラドの不正規兵が出没し、発見される恐れも出てきました。 彼らはいかなる道でウラドの本拠地に迫るべきか相談しますが、ヴラドの兵に苦しめられているオスマンの民を見過ごせないと、あえて正面から進む道を選ぶゴクルト。 その頃ウラドの妻、エリザベッタは錬金術師の研究所を訪れ、細菌兵器の開発状況を尋ねていました。 彼女も兵器の完成を強く望んでいました。 それを目撃したエレン少年は、祖父の元に戻り全てを伝えました。 祖父はそれを教会のカラフ神父に報告します。 村の娘アラジャ(ヌル・フェタホール)の家族を殺され、その身に危険が迫ります。 戦いに慣れた彼らは少数ながらヴラドの兵を打ち負かし、アラジャを救います。 しかし村には無数の死者が横たわっていました。 全く口を開かない彼は、幼い日に敵の襲撃を受け、傷付いた親を救おうと助けを求めた結果、かえって敵を呼びこみ目前で親を殺されていました。 その日から一切言葉を口にしないサスローン。 生き残った赤ん坊の境遇に、幼い日の自分の姿を重ねたのか、仲間がとがめても赤ん坊を抱いて放そうとしません。 アラジャはトルクメン人で、本当の家族はウラドの兵に殺され、この村で育てられたとゴクルトに語ります。 民族は宗教を理由に多くの民を虐殺してきたウラド。 ゴクルトは彼女に、オスマン帝国では信仰を理由に弾圧される事はないと告げます。 逃げ帰って城に戻った兵は、ヴラドに毛皮や翼を身に付けた、まるで怪物のような戦士に襲われ、部隊は全滅したと報告します。 おめおめ逃げて来た兵を許さず、自らの手で処刑したウラドは、部下のコステルに警戒を命じます。 アラジャと赤ん坊を引き連れ、一同に出発を命じるゴクルト。 戦士の1人が皆から「名無し」と呼ばれているのに疑問を持ち、アラジャは理由を尋ねます。 今はまだ名が無いが、戦場で相応しい働きをした時、相応の名が与えられる。 「名無し」はこの旅で、ついに自分の名が得られると信じていました。 彼らはジプシーの集落に到着します。 そこにはヴラドの支配から逃れた、ユダヤ人など様々な民族や宗教を持つ人々が暮らしていました。 寛容なジプシーの女頭目を信頼できる人物と見たゴクルトは、彼女にアラジャと赤ん坊を託します。 サスローンは赤ん坊との別れを拒みますが、赤ん坊はサスローンの息子である、と認めたゴクルトの言葉を信じ、戦士として決意を新たにします。 その頃アラーの神を信仰するオスマン帝国に反旗を翻した、ヴラドの功績を讃えるローマ法王の使者が、彼の元に到着していました。 喜ぶエリザベッタですが、自らはこそ神の子、法王に従う理由は無いと宣言し使者を侮辱するヴラド。 絶対の支配者となって、世界に君臨しようと企むヴラド。 細菌兵器もついに完成しました。 その1人ムバリスを中心に、故郷の大地について語り合います。 無口なサスローンがいる一方、常に笑いを絶やさないコンガールもまた仲間です。 その振る舞いを戦士らしくないとクマンが責めますが、騎士団のリーダー・ゴクルトは彼をたしなめます。 コンガールはかつて戦場で肉親を失い、その日から心を閉ざしました。 自分の心を檻に閉ざした結果、他者との関わりを拒絶するかのように、笑顔を見せるようになりました。 サスローンの無口とコンガールの笑顔は同じものだ、そう説明するゴクルト。 様々な手段と絆によって連絡を取り、祈りと共に彼らを支えます。 彼らをヴラドの兵が襲います。 撃退したものの、コンガールは深手を負い身動きが取れなくなります。 やむなく彼の運命をババ・スルタンに託し、先を急ぐゴクルトたち。 休息の際ムバリスは、弟のようにかわいがっている「名無し」を水を汲ませに向かわせます。 しかし「名無し」はヴラドの配下、コステル率いる部隊に捕らわれます。 嘆き悲しむムバリスを、ゴクルトとアスガールがなだめます。 またしても仲間を失いましたが、虐げられた民を救うのが我らの務め。 ゴクルトは残る戦士と共にヴラドの城を目指します。 ヴラドの城付近の村に着いた騎兵たちを、住民は不審の目で見つめます。 教会に入り、カラフ神父と熱く手を握るゴクルト。 彼の報告で城への秘密の通路と、ヴラドが開発させた細菌兵器の存在を知り、カラフに錬金術師の研究所の破壊を依頼したゴクルト。 騎兵たちは捕らわれた「名無し」を救うためにも、ヴラドの正規軍との対決を望んでいました。 ついに決戦の日。 ヴラドもまた神と対話していました。 私が勝利すれば、炎と死をもって世界を支配し、あなたに捧げます。 しかし私を見捨てるなら、私は敗北を受け入れず、イエスのように敵に屈したりはしない。 彼もこの戦いで決着を望んでいまいた。 一方カラフ神父は、錬金術師の研究所の爆破に成功していました。 その目前で「名無し」を殺害するヴラド。 大地も割れんばかりのゴクルト、アスガールの気迫に押され、ヴラド正規軍の兵は次々倒されます。 サスローンはヴラドの部下コステルこそ親の仇と気付き、闘いを挑み討ち果たします。 多くの部下を失い敗北を悟ったヴラドは、父なる神が再度、自分の運命をトルコ人に委ねた、と呟きます。 その前に立ち、ついに暴君を討ち取ったゴクルト。 こうしてワラキアの地に平穏が戻りました。 しかしヴラドの妃、エリザベッタの手には、細菌兵器に感染した1匹のネズミが残っていました…。 その勇猛・残虐な活躍と、先に記憶されたイメージが結び付き、伝説的な存在となります。 メフメト2世のオスマン帝国はコンスタンティノープルを征服し、アジア・ヨーロッパにまたがる大帝国を築きます。 臣従した者には民族・宗教問わず寛容、ヨーロッパ文化も積極的に吸収、トルコのルネサンス時代を産んだ人物。 なるほど本作で名君と描かれる訳です。 ところがヨーロッパ側から見ると、彼はコンスタンティノープルを略奪・破壊した、キリスト教圏への侵略者。 キリスト教最大の敵と呼ばれ、人々から恐れられていました。 敵役の典型そのものである、大悪党として描かれたヴラド3世。 ドラキュラ伯爵のモデルで、ヴラド・ツェペシュ(串刺し公)と呼ばれた人物です。 しかし彼もルーマニア側から見れば、巨額の貢納金を吹っかけてきた支配者オスマン帝国に抵抗し、独立を守った英雄です。 彼は正教会教徒(後に改宗します)で、ローマ法王のカトリックとは対立する立場ですが、それでもヨーロッパ諸国からは、オスマン帝国に抵抗するキリスト教の守護者として、当時は英雄視されていました。 そんな背景をエンタメ化した作品が、『ブラック・ウォリアーズ オスマン帝国騎兵隊』です。 くれぐれもフィクションですから、映画を見て歴史を学んだ気にはならぬ様に…。 全世界が注目するトルコ歴史ドラマの発展形? C 2018 Angel Film Yapim 現在トルコではスケールの大きな歴史ドラマ制作がブーム、世界からも注目を集めています。 日本でも放送されている『オスマン帝国外伝 愛と欲望のハレム』、オスマン帝国建国の時代を描いた『Dirilis Ertugrul 』などが代表格。 この映画の監督や俳優が参加した『Filinta』も、19世紀を舞台とした歴史ドラマです。 『オスマン帝国外伝 愛と欲望のハレム』が本国で放送された時、歴史上の人物の描き方について、権力者まで意見を述べる大論争が起きました。 擁護する側の意見は無論、「これはドキュメンタリーでは無く、ドラマにすぎない」という意見でした。 日本、そして世界各国の歴史ドラマも、史実よりエンタメ性を重視するのが潮流となっています。 フィクションと認識出来る作品であれば、娯楽に徹するのもアリでしょう。 どこかの国の大河ドラマの内容を、すべて歴史的事実と信じていませんよね? この映画もトルコの歴史ドラマ同様、エンタメ性を追求した作品になっています。 正直言って細かい事に拘らない、サービス精神過剰のきらいがある作品です。 最終決戦ではいつの間にか増えていますが、きっとオスマン帝国の為に、気付かぬ間に続々集結していたのでしょう。 動物を使ったのか、超能力か…。 絆で結ばれた超人戦士ならではの、以心伝心かもしれません。 最終決戦シーンでは、積まれたわらの山が爆発します。 もう深く考えるのは止めました。 カッコイイとは、こういうことさ 少々失礼な形で紹介しましたが、ところがこれが実にカッコいいのです。 繰り返される死闘こそ見せ場です。 クライマックスの戦いは、インド映画「バーフバリ」2部作でCGを使って表現したバトルを、本作では肉体と火薬、スローモーションを駆使して描いた、と表現できるでしょう。 ヴラド側の衣装デザインも凝ってます。 それらが戦う姿は「ロード・オブ・ザ・リング」「ホビットの冒険」の役者対CGではない、役者対役者の剣劇バトルシーンを、より発展させたものをイメージして下さい。 このコスチュームバトルを楽しむのが、本作の正しい鑑賞法。 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』など、血沸き肉躍る映画が好きな方は、細かい点に拘らずに大いに楽しんで下さい。 まとめ C 2018 Angel Film Yapim 本作に登場する、理想化されたオスマン帝国。 すべての民族・宗教を擁護し、老若男女の人民に感謝される、実にありがたい存在です。 まるで旧ソ連のスターリン時代の、気持ち悪いスターリン礼賛映画と同じ設定だと言えます。 ところが世界中が排他的になった現在、このメッセージが一周回って、かえって清々しく感じられるから不思議です。 今の世の中で、胸を張って全ての民族・宗教の方々に、どうぞ自分の国に来て下さい、と言える人がどれだけいるでしょうか。 トルコの歴史ドラマブームも、従来国是であった世俗主義からイスラム主義へ、オスマン帝国時代への回帰という、世界的な保守化・排他化の流れの中での現象といえます。 そう見ると『ブラック・ウォリアーズ オスマン帝国騎兵隊』からは、オスマン帝国時代に憧れるなら、その時代の人々の寛容な精神にも学べという、映画人からの力強いメッセージが確かに発せられているのです。 次回の「未体験ゾーンの映画たち2020見破録」は… C 2018 Warner Bros. Entertainment Italia S. - Picomedia S. 次回の第9回は イタリアの濃密なサスペンス映画『インビジブル・ウィットネス 見えない目撃者』を紹介いたします。 お楽しみに。

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ブラック・ウォリアーズ オスマン帝国騎兵隊 : 作品情報

デリラ オスマン 帝国 騎兵隊

CONTENTS• 監督のオスマン・カヤは、トルコの人気TVドラマ『Filinta』の演出を務めてきた人物。 宿敵ヴラド3世を演じるのは「未体験ゾーンの映画たち2019」で上映された、『ブレイブ・ロード 名もなき英雄』のエルカン・ペッテッカヤ。 ドラマ『オスマン帝国外伝 愛と欲望のハレム』で皇帝妃を演じたヌル・フェタホール、航空アクション映画『スカイ・イーグル』のイスマイル・フィリスら、トルコを代表する俳優が出演しています。 WOWOWでは、『デリラ オスマン帝国騎兵隊』のタイトルで放送された作品です。 ヒューマントラストシネマ渋谷とシネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2020」上映作品。 映画『ブラック・ウォリアーズ オスマン帝国騎兵隊』のあらすじとネタバレ C 2018 Angel Film Yapim オスマン帝国のムラド2世の治世の時代。 ルーマニアのワラキア地方は帝国に併合されました。 忠誠の証としてワラキアから送られてきたヴラド王子を、ムラド2世は我が子メフメト王子と分け隔てなく養育します。 成長すると1人は美しいバラのような、もう1人は毒を持つ花キョウチクトウのような人物に成長します。 偉大なスルタン(皇帝)となったメフメト2世(ルガラー・アクソ)と、オスマン帝国に深い恨みを抱く、ワラキアの領主ヴラド3世(エルカン・ペッテッカヤ)でした。 オスマン帝国に反旗を翻したワラキアの王ヴラドは、逆らう者を串刺しにして街道沿いに並べ、その力を誇示します。 スルタンは住民を恐怖で支配する彼を糾弾する使者を送りますが、その使者を自らの手で残虐に殺害するヴラド。 リーダーは黒い翼を背にまとう勇士ゴクルト(ジェム・ウチャン)。 こうして集まった7人の精鋭は、アラーの神とオスマン帝国への忠誠と、誇り高き死を誓ってワラキアを目指し馬を駆ります。 強力なオスマン帝国に対し、ワラキアの勢力は余りにも小さいものでした。 しかしヴラドは錬金術師に命じ、ネズミと特別な赤い苔を使用して、恐るべき疫病を作らせていました。 これを細菌兵器として使用すれば、帝都コンスタンチノープルも陥落するでしょう。 そしてエレンは兵士が、貧しい住民にネズミを集めるよう命じる姿を目撃します。 ヴラドの妻、王妃エリザベッタもオスマン帝国が滅びる事を願っていました。 周囲を侵略し、支配地が広がった結果、ワラキアの統治は困難になっていました。 そこで権力の維持する為に、ヴラドがローマ法王の後ろ盾を得る事を望むエリザベッタ。 しかし自らを神の子と信じるウラドは、オスマン帝国皇帝にもローマ法王にも従わず、自らの手で世界を支配する野望を抱いていました。 エレンは兵士が住民に約束した報酬を与えず、逆らう者を殺して集めさせたネズミを奪う姿を目にします。 エレンは何か恐ろしい事態が起きていると悟ります。 ヴラドの不正規兵が出没し、発見される恐れも出てきました。 彼らはいかなる道でウラドの本拠地に迫るべきか相談しますが、ヴラドの兵に苦しめられているオスマンの民を見過ごせないと、あえて正面から進む道を選ぶゴクルト。 その頃ウラドの妻、エリザベッタは錬金術師の研究所を訪れ、細菌兵器の開発状況を尋ねていました。 彼女も兵器の完成を強く望んでいました。 それを目撃したエレン少年は、祖父の元に戻り全てを伝えました。 祖父はそれを教会のカラフ神父に報告します。 村の娘アラジャ(ヌル・フェタホール)の家族を殺され、その身に危険が迫ります。 戦いに慣れた彼らは少数ながらヴラドの兵を打ち負かし、アラジャを救います。 しかし村には無数の死者が横たわっていました。 全く口を開かない彼は、幼い日に敵の襲撃を受け、傷付いた親を救おうと助けを求めた結果、かえって敵を呼びこみ目前で親を殺されていました。 その日から一切言葉を口にしないサスローン。 生き残った赤ん坊の境遇に、幼い日の自分の姿を重ねたのか、仲間がとがめても赤ん坊を抱いて放そうとしません。 アラジャはトルクメン人で、本当の家族はウラドの兵に殺され、この村で育てられたとゴクルトに語ります。 民族は宗教を理由に多くの民を虐殺してきたウラド。 ゴクルトは彼女に、オスマン帝国では信仰を理由に弾圧される事はないと告げます。 逃げ帰って城に戻った兵は、ヴラドに毛皮や翼を身に付けた、まるで怪物のような戦士に襲われ、部隊は全滅したと報告します。 おめおめ逃げて来た兵を許さず、自らの手で処刑したウラドは、部下のコステルに警戒を命じます。 アラジャと赤ん坊を引き連れ、一同に出発を命じるゴクルト。 戦士の1人が皆から「名無し」と呼ばれているのに疑問を持ち、アラジャは理由を尋ねます。 今はまだ名が無いが、戦場で相応しい働きをした時、相応の名が与えられる。 「名無し」はこの旅で、ついに自分の名が得られると信じていました。 彼らはジプシーの集落に到着します。 そこにはヴラドの支配から逃れた、ユダヤ人など様々な民族や宗教を持つ人々が暮らしていました。 寛容なジプシーの女頭目を信頼できる人物と見たゴクルトは、彼女にアラジャと赤ん坊を託します。 サスローンは赤ん坊との別れを拒みますが、赤ん坊はサスローンの息子である、と認めたゴクルトの言葉を信じ、戦士として決意を新たにします。 その頃アラーの神を信仰するオスマン帝国に反旗を翻した、ヴラドの功績を讃えるローマ法王の使者が、彼の元に到着していました。 喜ぶエリザベッタですが、自らはこそ神の子、法王に従う理由は無いと宣言し使者を侮辱するヴラド。 絶対の支配者となって、世界に君臨しようと企むヴラド。 細菌兵器もついに完成しました。 その1人ムバリスを中心に、故郷の大地について語り合います。 無口なサスローンがいる一方、常に笑いを絶やさないコンガールもまた仲間です。 その振る舞いを戦士らしくないとクマンが責めますが、騎士団のリーダー・ゴクルトは彼をたしなめます。 コンガールはかつて戦場で肉親を失い、その日から心を閉ざしました。 自分の心を檻に閉ざした結果、他者との関わりを拒絶するかのように、笑顔を見せるようになりました。 サスローンの無口とコンガールの笑顔は同じものだ、そう説明するゴクルト。 様々な手段と絆によって連絡を取り、祈りと共に彼らを支えます。 彼らをヴラドの兵が襲います。 撃退したものの、コンガールは深手を負い身動きが取れなくなります。 やむなく彼の運命をババ・スルタンに託し、先を急ぐゴクルトたち。 休息の際ムバリスは、弟のようにかわいがっている「名無し」を水を汲ませに向かわせます。 しかし「名無し」はヴラドの配下、コステル率いる部隊に捕らわれます。 嘆き悲しむムバリスを、ゴクルトとアスガールがなだめます。 またしても仲間を失いましたが、虐げられた民を救うのが我らの務め。 ゴクルトは残る戦士と共にヴラドの城を目指します。 ヴラドの城付近の村に着いた騎兵たちを、住民は不審の目で見つめます。 教会に入り、カラフ神父と熱く手を握るゴクルト。 彼の報告で城への秘密の通路と、ヴラドが開発させた細菌兵器の存在を知り、カラフに錬金術師の研究所の破壊を依頼したゴクルト。 騎兵たちは捕らわれた「名無し」を救うためにも、ヴラドの正規軍との対決を望んでいました。 ついに決戦の日。 ヴラドもまた神と対話していました。 私が勝利すれば、炎と死をもって世界を支配し、あなたに捧げます。 しかし私を見捨てるなら、私は敗北を受け入れず、イエスのように敵に屈したりはしない。 彼もこの戦いで決着を望んでいまいた。 一方カラフ神父は、錬金術師の研究所の爆破に成功していました。 その目前で「名無し」を殺害するヴラド。 大地も割れんばかりのゴクルト、アスガールの気迫に押され、ヴラド正規軍の兵は次々倒されます。 サスローンはヴラドの部下コステルこそ親の仇と気付き、闘いを挑み討ち果たします。 多くの部下を失い敗北を悟ったヴラドは、父なる神が再度、自分の運命をトルコ人に委ねた、と呟きます。 その前に立ち、ついに暴君を討ち取ったゴクルト。 こうしてワラキアの地に平穏が戻りました。 しかしヴラドの妃、エリザベッタの手には、細菌兵器に感染した1匹のネズミが残っていました…。 その勇猛・残虐な活躍と、先に記憶されたイメージが結び付き、伝説的な存在となります。 メフメト2世のオスマン帝国はコンスタンティノープルを征服し、アジア・ヨーロッパにまたがる大帝国を築きます。 臣従した者には民族・宗教問わず寛容、ヨーロッパ文化も積極的に吸収、トルコのルネサンス時代を産んだ人物。 なるほど本作で名君と描かれる訳です。 ところがヨーロッパ側から見ると、彼はコンスタンティノープルを略奪・破壊した、キリスト教圏への侵略者。 キリスト教最大の敵と呼ばれ、人々から恐れられていました。 敵役の典型そのものである、大悪党として描かれたヴラド3世。 ドラキュラ伯爵のモデルで、ヴラド・ツェペシュ(串刺し公)と呼ばれた人物です。 しかし彼もルーマニア側から見れば、巨額の貢納金を吹っかけてきた支配者オスマン帝国に抵抗し、独立を守った英雄です。 彼は正教会教徒(後に改宗します)で、ローマ法王のカトリックとは対立する立場ですが、それでもヨーロッパ諸国からは、オスマン帝国に抵抗するキリスト教の守護者として、当時は英雄視されていました。 そんな背景をエンタメ化した作品が、『ブラック・ウォリアーズ オスマン帝国騎兵隊』です。 くれぐれもフィクションですから、映画を見て歴史を学んだ気にはならぬ様に…。 全世界が注目するトルコ歴史ドラマの発展形? C 2018 Angel Film Yapim 現在トルコではスケールの大きな歴史ドラマ制作がブーム、世界からも注目を集めています。 日本でも放送されている『オスマン帝国外伝 愛と欲望のハレム』、オスマン帝国建国の時代を描いた『Dirilis Ertugrul 』などが代表格。 この映画の監督や俳優が参加した『Filinta』も、19世紀を舞台とした歴史ドラマです。 『オスマン帝国外伝 愛と欲望のハレム』が本国で放送された時、歴史上の人物の描き方について、権力者まで意見を述べる大論争が起きました。 擁護する側の意見は無論、「これはドキュメンタリーでは無く、ドラマにすぎない」という意見でした。 日本、そして世界各国の歴史ドラマも、史実よりエンタメ性を重視するのが潮流となっています。 フィクションと認識出来る作品であれば、娯楽に徹するのもアリでしょう。 どこかの国の大河ドラマの内容を、すべて歴史的事実と信じていませんよね? この映画もトルコの歴史ドラマ同様、エンタメ性を追求した作品になっています。 正直言って細かい事に拘らない、サービス精神過剰のきらいがある作品です。 最終決戦ではいつの間にか増えていますが、きっとオスマン帝国の為に、気付かぬ間に続々集結していたのでしょう。 動物を使ったのか、超能力か…。 絆で結ばれた超人戦士ならではの、以心伝心かもしれません。 最終決戦シーンでは、積まれたわらの山が爆発します。 もう深く考えるのは止めました。 カッコイイとは、こういうことさ 少々失礼な形で紹介しましたが、ところがこれが実にカッコいいのです。 繰り返される死闘こそ見せ場です。 クライマックスの戦いは、インド映画「バーフバリ」2部作でCGを使って表現したバトルを、本作では肉体と火薬、スローモーションを駆使して描いた、と表現できるでしょう。 ヴラド側の衣装デザインも凝ってます。 それらが戦う姿は「ロード・オブ・ザ・リング」「ホビットの冒険」の役者対CGではない、役者対役者の剣劇バトルシーンを、より発展させたものをイメージして下さい。 このコスチュームバトルを楽しむのが、本作の正しい鑑賞法。 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』など、血沸き肉躍る映画が好きな方は、細かい点に拘らずに大いに楽しんで下さい。 まとめ C 2018 Angel Film Yapim 本作に登場する、理想化されたオスマン帝国。 すべての民族・宗教を擁護し、老若男女の人民に感謝される、実にありがたい存在です。 まるで旧ソ連のスターリン時代の、気持ち悪いスターリン礼賛映画と同じ設定だと言えます。 ところが世界中が排他的になった現在、このメッセージが一周回って、かえって清々しく感じられるから不思議です。 今の世の中で、胸を張って全ての民族・宗教の方々に、どうぞ自分の国に来て下さい、と言える人がどれだけいるでしょうか。 トルコの歴史ドラマブームも、従来国是であった世俗主義からイスラム主義へ、オスマン帝国時代への回帰という、世界的な保守化・排他化の流れの中での現象といえます。 そう見ると『ブラック・ウォリアーズ オスマン帝国騎兵隊』からは、オスマン帝国時代に憧れるなら、その時代の人々の寛容な精神にも学べという、映画人からの力強いメッセージが確かに発せられているのです。 次回の「未体験ゾーンの映画たち2020見破録」は… C 2018 Warner Bros. Entertainment Italia S. - Picomedia S. 次回の第9回は イタリアの濃密なサスペンス映画『インビジブル・ウィットネス 見えない目撃者』を紹介いたします。 お楽しみに。

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